「海のある地域に住みたい」という思いを持ってIターン移住を決断
志田晴飛さん
2年かけて自分の住みたい地域を探した
ー 山口県に移住するきっかけについて教えてください。
私は大阪府で生まれ育ち、高校卒業後は自分で稼ぐ力を身につけたいと独学でホームページ制作などを勉強し、フリーランスとして活動をスタートしました。仕事がテレワークでどこでも働ける環境ということもあり、せっかくなら自分の住みたいところに行ってみようと地方移住への関心を高めていきました。どういうところに住みたいかを考えた時に、釣りが趣味なので「海のある地域に住みたい」と思い、約2年かけていろんな地域を旅して、自分が住みたいところを探しました。そこで出会った山口県長門市に2022年5月に移住しました。
自分のイメージする暮らしができる地域
— いろんな地域を見てきて、なぜ山口県長門市だったのですか?
私の場合は「海」が軸にあったので、日本海や瀬戸内海などに面した地域を中心に巡りました。そんな中で、長門の海がとても綺麗で、気候も穏やかで、直感的にいいなと思いました。そこから空き家バンクを活用し、海まで歩いて1分の古民家と出会いました。空き家バンクを活用した理由は、物件の価格が安く、市の運営ということもあり、地域により溶け込めるんじゃないかなと思ったからです。最終的に長門への移住を決断できたのは、いろんな地域を巡った上で、自分のイメージする暮らしが長門ならできるんじゃないかと思えたからです。
以前より開放的になった自分がいる
— 移住してみて、自身の働き方や暮らし方に変化はありましたか?
移住して1年3ヶ月が経ちましたが、働き方は大阪に住んでいた時と変わらずテレワークで仕事をしています。一方、暮らし方は大きく変わったと感じています。以前は仕事をして寝るだけの生活が中心でしたが、今はほぼ毎日釣りをしたり、綺麗な空気を感じながら散歩したりして、開放的になった感覚があります。また、住んでいる家をシェアハウスにしようとSNSでルームメイトを募集し、同じ20代の3名と暮らしています。私の場合、縁もゆかりもない地域へのIターン移住だったので、こうした仲間の存在は心の支えにもなっています。
地域の方々とのつながりを大事に、今を楽しむ
— 今後、思い描いている長門での暮らしはありますか?
当初、海のある地域に移住することが目的だったので、今はそれを達成して満足していて、今の暮らしを維持したいと思っています。近所の方とも少しずつつながりができて、野菜をもらったり、自分が釣った魚をお返ししたりする関係ができています。また、web関連の仕事をしていることを伝えたら、隣の家のおばあちゃんがスマホの使い方を教えてほしいという出来事もありました。こういった形で地域の方々とのつながりも増えてくれば、自然と地域での暮らし方もどんどん変わっていくと思いますし、焦らずにゆっくり今の暮らしを楽しみたいと思っています。
— 最後に、山口県への移住に興味を持っている方にメッセージをお願いします。
私のように都市圏から地方圏に移住する方は、娯楽や買い物ができる場所が少なくて不便に感じたり、地域の方々に受け入れてもらえなかったり、古民家に住みたいけど片付けや掃除が大変だったり、不安を感じることも多くあると思います。ただ、移住をするにあたって大事なことは、「自分がどのような暮らし方や働き方がしたいのか」というイメージを明確に持つことだと思います。私の場合はいろんな地域を巡ってみて、そのイメージを膨らましてきました。今はいろんな方法や手段でそのイメージを膨らますことができると思いますので、自分に合ったやり方で自分に合う地域を見つけてほしいと思います。