故郷にUターンしてゲストハウスを運営
塩満直弘さん
山口県でUターン起業を実現するまで
— 塩満さんが山口県にUターンをして起業した理由についてもお聞かせください。
20代半ばに漠然と生まれ故郷の山口県萩市に戻りたいと考えるようになり、Uターンを実現するために何を手段とするのかを模索しました。最終的に、私の中で「場所を持ちたい」という想いが強く、ゲストハウスを運営することにして萩市に戻ってきました。現在は、萩市内でゲストハウス「ruco」などを2店舗運営しています。
2年ほど海外で暮らした経験があるのですが、東京や京都のことは知っていても山口については知らない外国の方が多く、山口や萩について、多くの方にもっと広く知ってもらいたいという想いもありました。
最初はそうした私の想いに共感してもらえるのか、それを形にするために必要な情報が集まるのかなど様々な不安がありました。しかし、実際にゲストハウスを運営してみると想像以上に多くの方がお越しになり、色々な交流を通じて情報も集まるようになりました。萩での滞在をきっかけに移住された方もいますし、10年前には全く想像してなかったことが現実になりました。
移住者が見つけ広めていく、地域にある魅力
— 塩満さんやゲストハウスに滞在されるお客様は、萩でどのように過ごされていますか?
少し足を延ばせば綺麗な海岸や森や山もあるので、私は仕事の合間に町中を走ったり海で泳いだりして、萩での暮らしを満喫しています。自然に恵まれた環境は萩の魅力の一つです。
ゲストハウスにはテレワークをしながら滞在されるお客様もいて、空き時間に自転車でコーヒーを買いに行ったり、萩で採れた新鮮な食材を購入してキッチンで調理したり、みなさん思い思いの時間を過ごしています。なかには浜辺に座ってパソコン作業をされる方もいたり、街全体をオフィスのように活用されています。
— 普段、地域の方とはどのような交流がありますか?
近所の方が家の前に野菜を置いていってくれたり、お店に花を飾りにきてくれたり、日々の暮らしの中で地域のみなさんとコミュニケーションをとる機会は多いです。他にも挙げたらきりがないくらい毎日交流があるので、都市部とは異なる人との距離感や触れ合いを楽しめる人は移住に向いていると思います。
また、移住者の方たちも今まで地域にはなかった考えや価値観を持っているので、それぞれの視点で面白がりながら地域の魅力を掘り起こしてくれています。例えば、萩には菊ヶ浜という綺麗な浜辺があるのですが、最近は移住者の方がそこで様々なアクティビティを楽しんでいる光景をよく目にします。地域の人たちにとっては昔からある見慣れた浜辺ですが、移住者の方たちはそうした自然資産をさらに活用して、地域の魅力をさらに高めてくれていると感じます。
一つの形にこだわらず、自分の価値観や考え方にあった選択を
— 今後実現したいライフスタイルや働き方などはありますか?
これからも何かしらの場づくりに関わっていきたいです。一人ひとりの価値観やあり方に寄り添えるような場をつくり、生き方や暮らし方の選択肢を増やすきっかけを提供したいですね。そのために私自身が率先して萩での暮らしを面白がり、自分の責任の中で様々な取組をしていければと考えています。
— 最後に、山口でのテレワーク移住やUターン起業に興味をお持ちの方にメッセージをお願いします。
毎日色々なことが起こりますが、それら全てを自分ゴトとして捉えて、目の前にある環境を楽しみながら暮らしていける人にとって、山口での移住や地域起業は魅力的な選択肢の一つだと思います。